マンションを買う前に知っておくべき「修繕積立金」のすべて

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分譲マンションを購入すると、必ず支払うことになる「修繕積立金」と「管理費」。

管理費に関しては実感として理解できるものの、修繕積立金に関しては「なんとなく、マンションの修理とかに必要なおカネ」くらいにしか考えていない方も多いのではないでしょうか。

確かに「修繕」のために「積立」している「お金」ですから、大雑把に言えばそれで間違いではないでしょう。

でも考えてみてください。

月に2万円ずつ支払っていくとすれば、30年間でなんと「720万円!」もの膨大な支払いになるんです。

家の値段にもこだわるなら、この修繕積立金についても無頓着ではいけません。

今回は、そんな修繕積立金について解説します。

これまでよく分かっていなかった人も、このコラムを読んで正しく理解してください。

① そもそも修繕積立金とは?

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①-1 修繕積立金の定義

修繕積立金は、一般的には”分譲マンションで共用部分の修繕のために積立てるもの”とされています。(ブリタニカ国際大百科事典より一部抜粋)

共用部分の修繕工事は、12 年、15 年、30 年といった長い周期で実施されるものが多く、修繕工事の実施時には多額の費用を要します。

そんな多額の費用を一括で徴収することは所有者にとって大きな負担となり、資金不足のため必要な修繕工事が実施できないといった事態にもなりかねません。

こうした事態を避けるため、将来予想される修繕工事に要する費用を、長期間にわたり計画的に積み立てていくのが、「修繕積立金」です。

①-2 金額の根拠

国土交通省が定めた『マンションの修繕積立金に関するガイドライン』を見ると修繕積立金の額は、将来見込まれる修繕工事の内容、おおよその時期、概算の費用等を盛り込んだ「長期修繕計画」に基づいて設定されます。

①-3 長期修繕計画

長期修繕計画とは、将来予想される修繕工事等を計画し、必要な費用を算出し、月々の修繕積立金を設定するために作成するものです。

一般的に10年から30年程度の期間で、塗装工事・屋上の防水工事・給水管工事・排水管工事などの大規模修繕を計画します。

長期修繕計画は、マンションの所有者全員で組織された管理組合で作成します。

その時の劣化状態、工事費の高騰、修繕技術や法律の変更などが生じてきますので、一定期間ごとに見直していくことが必要とされています。

② 修繕積立金の必要性

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②-1 大規模修繕は避けて通れない

建物はどれほど丁寧に使用していても、必ず年月の経過にともない劣化していきます。

良好な居住環境を確保るためには、劣化に対応するために、適切適時に修繕工事を行う必要があります。

修繕するのに然るべき工事がされないと、快適な住生活を妨げられてしまうだけではなく、安全面も保障されません。

事故が起こってしまってからは遅いので、大規模修繕は避けては通れないものなのです。

②-2 安い方がお得なのか?

分譲時、修繕積立金が安く設定されていると短期的に考えるとお得のように感じられます。

しかし、長期的に考えると概してお得ではありません。

なぜなら、不足した工事費を修繕費の値上げや、一時金等で結局は徴収されることになるからです。

もちろん無駄に高すぎるのも問題ですが、逆に安すぎる場合も要注意です。

③ 修繕積立金の問題点

③-1 途中で上がるケースも

長期修繕計画の見直しによって、途中から修繕積立金が値上げされるケースは珍しいことではありません。

では、なぜ修繕積立金は値上げされるのでしょうか。理由として考えられるの以下の4つです。

1.分譲時の修繕積立金の初期設定価格が低い

新築当初はまだ設備も健全で、大きな工事が発生する可能性はあまりないでしょう。

そのため修繕積立金の価格を低く設定していても、すぐには大きな問題にはなりません。

マンションを購入する際、実際に毎月の支払いの時に必要となってくる、「住宅ローンと管理費・修繕積立金を合わせた総額」は大きな判断材料ですよね。

そこで、売り手である不動産会社が、少しでも安く抑えた総額にするために、あえて低めで設定していることもあるとのこと。

2.修繕積立金の値上げが分譲時より決まっている

修繕積立金の積み立て方は、「均等積立方式」と「段階増額積立方式」の二通りがあります。

前者の場合は原則として値上げは想定されていないのですが、後者の段階増額積立方式を採用している場合、計画当初より値上げは決まっています。

難しいネーミングを覚えておく必要はありませんが、二通りの方法があるということは理解しておくと良いでしょう。

3.修繕工事費の価格が上昇する

その時々の社会情勢により、人件費、工事材料費、工事費が高騰することは十分に考えられます。

最近はデフレ傾向が続いていますが、インフレになった場合も額面では値上げが予測されます。(ただし、インフレ場合には負担は相対的に軽くなりますが)

4.修繕工事費の価格が必要以上に高い

管理組合はマンション所有者の代表の方たちなので、専門的な知識かないまま業務を担うこととなります。

そのため、工事をそのまま管理会社に依頼するケースが多いようです。

たしかに丸投げで済むので、簡単に言ってしまうと「ラク」なのですが、その分割高になってしまう恐れもあります。

③-2 中古マンションの場合

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中古マンションを検討する場合、「長期修繕計画」について綿密に確認しておくことが重要です。

なぜなら、居住し始めた直後に大規模修繕が始まり、特別修繕積立金として追徴される可能性もあるからです。

そのような事態にならないように、事前に「長期修繕計画」は必ず目を通しておきましょう。

なお、資料に目を通すのは苦手…という方は、以下のようなポイントを押さえて見てみると良いでしょう。最低限のチェックポイントを記載します。

  • そもそも長期修繕計画自体がマンションにあるのか?(古いマンションではないことも…)
  • 計画されている修繕箇所が妥当か?
  • 次の大規模修繕工事はいつか?
  • 大規模修繕工事に対する予算は十分か?
  • 過去に修繕計画の見直しをしたことがあるか?
  • 修繕積立金が上がるような計画になっていないか?
  • 修繕積立金が上がる場合、いつ、いくら上がるのか?

などです。

④修繕積立金の負担軽減策

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10年後のライフスタイルを考えてみたとき、現在より医療費・養育費等の出費が増えることも考えられます。

そんな時に修繕積立金が追徴されたら、家計はさらに圧迫され困ってしまいますよね。

では、修繕積立金の負担はどのように軽減すればよいのでしょうか。

1.管理費の見直し

マンションの管理費は本当に妥当な金額なのでしょうか。

ほとんどのマンションで、管理費は分譲時に設定されたままになっているようです。

何十年もの間、割高で必要のないサービスもそのまま、金額も管理会社のいい値のまま。

そのような状態であるならは、ぜひ一度管理費を見直ししてみるべきです。

管理費の削減について、マンション所有者が求めるのは当然の権利であり、管理組合で実行できる事柄です。

管理費の見直しを行う際は、エレベーターのメンテナンス料から検討してみると良いでしょう。

管理費において大きなウエイトを占めますので、費用削減に効果的です。

2.工事費の見直し

大規模修繕工事を行う際に、いつもの業者さんではなく、あえて他の業者さんに見積もりをもらってみるのも効果的な手段だと言えるでしょう。

もしかすると、これまでの業者さんより安く・良いサービスが受けられるかもしません。

修繕積立金における一番の問題点である”値上げ”。

仕方ないと受け入れる前に、なにかひとつでも対策を考え、少しでも値上げ幅を押さえたいおものです。

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④まとめ

いかがだったでしょうか?

修繕積立金の定義から必要性、そして問題点とその対策まで一通り理解できたと思います。

ぜひマンション購入時の参考にしてください。

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